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課題吸引頻度が多く、公共交通機関での外出のハードルが高い。
解決自家用車での移動練習や吸引のタイミングの支援によってご家族だけで車で外出できることができるようになった。
気管切開しているお子さん。
当初はHABILISまで徒歩で通える距離に住んでいましたが、引っ越しを機に、公共のタクシー・バス・電車を乗り継いで通うことになりました。外出には吸引機など多くの物品が必要で、移動は容易ではありません。公共交通を利用する中で、タクシー運転手に「ここはバス通りだから長く停められない」と言われたり、バスの中で吸引しようと立ち上がったお母さんに「座ってください」とアナウンスされたりすることもありました。
「言っていることは分かるけれど、そんなふうに言われると気持ちが折れてしまう」とお母さんは話してくれました。
ご自宅からHABILISまでは車なら20分ほどですが、公共交通では約1時間。移動の度に周囲からの視線や言葉に疲れてしまい、「それでも通わせたい」と願うお母さんにとって、大きな負担になっていました。そこでご家族は自家用車を購入。しかし、運転初心者のお母さんにとって、吸引が必要な子どもを乗せて運転することは大きな挑戦でした。
私たちはまず運転練習から取り組み、どこに座らせれば様子を見やすいか、吸引が必要になった時はどこに停めるか、一緒に考えていきました。信号での一時停止中に吸引することも、初心者には簡単ではありません。停める場所や方法を一つひとつ確認しながら、通所までの道のりを練習しました。
さらに、お母さんと一緒に「吸引のタイミング」も考えました。病院では「ゼロゼロと音がしたら苦しいサイン」と教わり、頻回に吸引してきましたが、実際にHABILIS周辺を散歩してみると、お子さん本人が自力で痰を出せる場面も多く、必ずしも音だけで判断しなくても良いことが分かってきました。お子さんの表情や様子を見ながら判断できるようになったのです。
こうして運転と吸引のタイミングに慣れ、今ではお母さん一人で車に乗せて通えるようになりました。
私たちはこの経験から、病院の中だけでは見えにくい「生活の中の困りごと」を、地域で共に考える大切さを改めて学びました。
そして、生活の中での本当の「障害」とは病気そのものではなく、社会の環境にあるのだと実感しました。
お子さんを外に出してあげたいと諦めずに取り組んだご両親を心から尊敬するとともに、これからもご家族が安心して暮らせるよう、一緒に考え支えていきたいと思います。

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